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百年かけて成熟する人の和を目指して >>
日本の田舎の問題はきちんと資本主義が定着していないことだ。
ブログが新しくなりまして、その最初の書き込みになります。
ずいぶん長くブログをお休みしてすいませんでした。

さて、日本の田舎を再生していくために必要なことはなんだろう、問題の本質はどこにあるんだろう・・・ということについて、自分なりの考えを思い切りよく書いてしまうことから、新しいブログを始めようと思います。

その人の生み出す価値と収入の因果関係。

日本の田舎というのは、きちんとものを売っていくことで対価を得ることをしていない。
その人の生み出す価値と収入の因果関係がなくなってしまっている。

経済の中心は役場になってしまっている。そして役場はお金を配るところになってしまっている。役場からうまくお金をもらうことができる人が財産を築いてきた。土建屋さんはその中心だし、土建屋さんが仕事をして、その時に立ち退きが発生して補償金が出て、それで新築の家ができて大工さんの仕事になる。そういう役場から流れるお金で地域経済が支えられて来たという田舎が多い。田舎に行くと立派な家がたくさんある。しかし、その中には保証金により新築になった家も多い。

「自分たちの税金を役場が無駄使いする・・・・」と役場を批判する住民は多い。しかし、役場の自主財源はほんの一部で、ほとんど国からの交付金に依存している。つまり、都市で稼いだ人たちが納めた税金→国→地方の役場という流れでお金が入っている。

なぜ、日本の田舎は、ここまで自立心を失ったのか。

経済的に自立できていない子供が、ずっと「小遣いが少ない!」と文句ばかり言っているような状況。議員さんはいかに地域住民のクレームを役場に届けられるかが仕事になってしまっている。



宮崎県の諸塚村

あまりにも山奥でありながら、自立心をもち自治を維持してきた山村である。終戦直後、アメリカは、日本の強固な自治組織を解体しないと共産化しやすいと考えた。農地解放などのあめ玉をばらまきながら、同時に地域の自治の解体を積極的に進めた。戦後に共産党による「山村工作隊」が山村赤化運動を展開したという話を私自身多くの山村で耳にしたことがある。そんな戦後の状況の中で、GHQ(アメリカ)は、農山村の自治組織をできるだけ骨抜きにしようにした。

※ 農協の起こりもそのあたりと関連が深いようですが、その話はまた別の機会に・・・

そんな中で諸塚村は、各集落単位の自治を守り抜き、集落が特別地方公共団体という1つの自治組織として現在まで残っている。ものすごく辺鄙で不便な場所なんだけども、一人一人が村を維持していくために前向きに頑張っている。諸塚村には、日本の田舎の多くが失ってしまったものが、かろうじて残されているような気がする。


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価値を生み出し、その対価を得ることで地域経済が維持される。

西粟倉村では、村長のリーダーシップのもと、森林再生への集中投資が雇用を生みだし、それが人口維持につながっていくという好循環が生まれつつある。しかし、ここで留まっていては、これまでの経済構造を温存したままとなり、問題の本質は解決しない。つまり、「価値を生み出し、その対価を得ることで地域経済が維持される」というところまでもっていかないといけない。(株)西粟倉・森の学校という会社は、その部分に切り込むための会社。村ぐるみでの森林再生が、村ぐるみでの価値創出へつながっていくための橋渡し役を担うのが、森の学校という会社だと考えている。

森の学校という会社がお客様に売るのではなく、西粟倉村民とお客様とがつながっていくことが大事。村の営業部隊というよりは、営業活動の支援仲介部隊となるのが正しい姿だと思っている。

国からやってくる交付金(お小遣い)で外貨を得てきた農山村の経済。この構造も使えるうちにうまく利用する必要はあるが、国もそろそろしんどそうだ。なんとか、価値を生み出しお客様から対価をいただいて地域の経済を維持しなてくはならない。国から補助事業をうまく引っ張ってくるのが優秀な地方公務員の姿だったが、そのモデルも変わらざるを得ない。

まだ日本の田舎には資本主義経済が定着していない。

今あるのは「お小遣い経済」・・・とでも言った方がよいかもしれない。

かと言って、従来の都市・工業を中心とする貨幣経済を田舎に移転させるというのも間違っている。そのあたりの話はまた改めて書きたいと思います。貨幣経済で説明できないいろいろな要素(森とか自然とか歴史とか)を組み入れながら、これからの社会構造について考えていくと、生態学的なフレームに依拠していくことになるのです。

ということで、このブログのタイトルも「生態学的な視点から事業をプロデュースする」というものになっております。

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makoさんによる諸塚村の写真
http://box25056.exblog.jp/tags/諸塚村/
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